曇りと晴れと
予防接種へのつっこみをあたまの片隅で恐れているわたしがきっといて、どの病院ならよいかしらと悩んだりぽんっと忘れたりのんさんが風邪をひいたりしているあいだに十一ヶ月を迎えようとしていて、あわててあわてて電話をかけた。
妊娠の気配がするころ、そして妊娠していますおめでとうとおしえてくれた病院が、とびらをどかっとひらいて迎えてくれた。
かわいいおばさま看護師さんは三名ほどの診察券を並べながらなんども順番を確かめている。のんさんの名前をほめてくれたりさらしの抱っこ紐に感心してくれたり、ほかの方にも気になることがあると声をかけるにんげんとにんげんのコミュニケーションをする方で、その存在にぴんっと伸ばしていた背筋がまあるく猫背にもどったと思う。待っているあいだ、ガラスのとびらはすこし外がくぐもってみえる。ここの雰囲気と相まって向かいにあるタクシーの帰ってくるおうちも映画でみた寅さんのいる時代のようにみえてくる。病院内にある観葉植物はピンとしているわけでもなくて、長年いる夫婦みたいにすこしくたっとしながらともにいる。そのかんじも、ふーっというきもちにさせてくれた。
呼ばれて、診察室へ入るとにこおっと笑い顔、白髪の先生がすわっている。ぜんぶオーケーよという表情。のんさんはじーっと顔をみている。
先生(機嫌がいいのかな。おとなしいね。)(いやあ、まったく泣かないもんな。)
のんさんはひとを信じている。ようすはうかがうけれどこころをひらいている。このまま、この調子でいてもらえたらいいな、と思う。
先生(なあんにももんだいありません。このままの育て方で育ててください。)
洋服を着せて、抱っこ紐をして、もう一度、(とっても良好だからいまの育て方でだいじょうぶ。このまま育ててください。)とゆっくり伝えてくれた。
はじめからここに来たらよかったんだな。検診をして、安心する言葉をゆっくり伝えてくれるところ。町医者に通っちゃうおばあちゃんはこういうきもちをもらいにゆくのだろうか。
よくがんばったとご褒美に駅前でおいしいお弁当を買って、お買いものをして帰宅。
ルン。
夜ごはんは、青菜炒め、にしんのお刺身、とりひき肉とごぼうのぺったんこ焼き、ごはん。
0 件のコメント:
コメントを投稿